しまなみ海道へ(2日目)

今治プラザホテル

 
朝食はホテルのバイキング。開店は7時ということで、いつもと同じ時間に起きれば余裕はある。
午前5時50分に起床。昨夜着ていた服に袖を通す。とりあえずロビーに下りてみるがすることはない。ホテル前のコンビニへ行き、立ち読みをして時間を潰す。実に迷惑な客だ。

ロビーへ戻り、今日の天気をテレビで確認。曇りで、夕方前に雨の予報。午後3時くらいに尾道へ到着できれば回避できるか?と考える。
「おはよう。」
M氏が爽やかに登場する。昨夜は飲み足りなかったようで、外食からの帰りにコンビニで酒を買って、部屋で飲んでいたそうだ。途中、私が潰れなければ…と思う。程なくK氏も下りてきたため、朝食へ。
ホテルの朝食バイキングは、なぜこんなにも美味いのか?いつもの倍くらいの量をペロリと平らげる。
「8時発くらいで。」
各人、部屋に戻り準備に取り掛かる。びしょ濡れだったジャージの他、すっかり乾いている。ホテルのエアコンに感謝する。
時間になりチェックアウトを済ませ、2日目の復路ライド開始である。
「フェリーを使ってショートカットするのもアリですよ。」
と、昨日の来島海峡大橋でのこともあり、M氏と私とでK氏に提案する。
「自分はフェリーで行くんで、二人は橋でボチボチ行ってください。」
そう言いながらもフェリー乗り場をスルーする。あれだけ怖い思いをしたのに、K氏の精神力に驚かされる。
 
来島海峡大橋に差し掛かる上り坂で、
ポツ…ポツ……
まさかの雨である。
すぐに雨脚が強まったため、このまま橋へ行くのは危険と判断。“サンライズ糸山”で雨宿りをする。タイヤの空気圧が減っていたこともあり、レンタサイクルの受付をされていた方にポンプをお借りできないかお願いする。
「いいですよ、使ってくださいね。」
雨の中、快く対応してくださる。おかげでタイヤはパンパンだ。
その間に雨は少しずつ弱まっていき、これならなんとか走れるという状況に。感謝しつつ再スタートである。
昨日も途中で雨に降られてしまい不快な思いをしたのだが、2日目はいきなりシューズの中から嫌な音を立てる状態になった。
恐る恐る海峡大橋へ。
「お?」
昨日とは打って変わって穏やかな橋上。路面は先ほどの雨で濡れているが、風が追い風で走りやすい。K氏もこれならと、ゆっくりと走り出す。昨日は1時間くらい橋の上にいたような気がしていたのだが、今日は大島までの道のりがあっという間だ。
 
大島上陸
 
大橋からの濡れた路面の下りは安全かつ慎重に。慎重になりすぎてブレーキを多用。下りが終わり、よしうみいきいき館に到着。ふとカーボンリムを見てみると、リム部分が熱を帯び、そこだけ乾いている状態になっていた。もう少しコーナリング技術を身に着けないといけないと感じる。
 
亀老山の上りもバラソフトも今日はなし。ブルーラインを辿り、伯方島を目指す。
 
 
昨日通ったルートを逆打ち。追い風に背中を押され、あっという間に大三島へ到着する。
 
大三島上陸
 
スタート直後の雨はなんだったのか?雲の切れ間からは晴れ間がのぞくようになった。
大三島は内周のブルーラインを辿ると、あっという間に走りきってしまう。今日はせっかくなので外周することを提案する。
途中を左折。海沿いの道を走るのだが、さっきまで背中を押してくれていた風は向かい風に。海からも時折強めの横風が吹き出した。
内周コースはサイクリストも多く、交通量もそこそこあるのだが、外周コースは真逆。サイクリストの数もほとんどなく、民家がぽつぽつと建ち、みかん畑が続くだけ。
 
しかし、逆にそれがいい。
 
向かい風に怯みながら進むとパッと視界が開け、前方に海が見えてくる。右にカーブすると、海を左手に、右手に山とみかん畑を眺めながら進む。風で暴れるホイールを抑えながらだったため、ゆっくり景色を眺めることができなかったのが残念である。
 
途中、地元の実業団らしきトレインとすれ違う。追い風とはいえかなりの速度だ。トレインの後方には愛媛のゆるキャラ“みきゃん”がデカールされたチームカー。触発されてしまったのか、上りを終えた後、下りの速度に乗せてトレインは加速。あっという間に島の南端まで進む。
ブルーラインに沿って走ることも考えたが、停車した所の脇道を上ればショートカットができることを案内板によって知ることができ、上ることにした。
ミカン畑の間を縫うように上る。
下ってブルーラインに復帰。しばらく道なりに進むと塩温泉の看板を見つける。興味をそそられ、そちらに向かってみる。見えてきたのは温泉と伯方の塩工場。工場は見学もできるようだが時間の都合もあり、今回は両方とも見送ることにした。
 
ブルーライン復帰して間もなく、道の駅を発見。復路ということもあり、トイレ休憩を兼ねてお土産を物色する。
さすが柑橘類が特産だけあり、店舗前には野菜と一緒にミカンやレモンがたくさん並ぶ。
海鮮丼が名物といわれる“大漁”さんへ立ち寄ろうとしたが、開店前の時点で既に午前の予約受付終了。午後まで大三島に滞在する予定ではなかったため断念。380円の海鮮丼、今度はありつけるだろうか。
お土産をバックパックに詰め込み道の駅を後にする。先行するため前へ出るが、直後の上りで体に異変を感じる。力が入らなくなる。いつもより遅い上りが更に遅い。
“これは…?”
手が痺れてきたため低血糖症状“ハンガーノック”と判断。
“そういえば…。”
と、今治を出てからまともな補給をしていないことに気が付く。
何とか上りを終え、完全に惰性で下る。下りきった所でM氏とK氏に多々羅しまなみ公園へ先に向かってもらうようお願いする。少し休憩してから再出発。先ほどより力が入ることを確認。ゆっくり公園へ向かう。

ゆっくり走っていると不思議なもので、旅をしているという充実感が脳内を刺激し、ハンガーノック状態でも楽しく走ることができた。
公園到着後、すぐに、じゃこ天や塩ソフトで補給。生き返る。

 
因島上陸
 
昨日、多々羅大橋を渡る時には気が付かなかったが、この橋には“鳴き竜”というスポットがある。支柱の下で手を叩くとパーン…という乾いた音が支柱を反射しながら空へ向かっていくという現象だ。
実際に下から支柱を見上げてみると、すごい迫力だ。一見の価値ありである。さらに、ここの支柱下には、より体感してもらおうということからか、拍子木が設置されている。自分ももちろん、他のメンバーも体感する。
予想以上の反響音に興奮する。次は子どもにも体感させてやりたいと思う。
 
昨日、食べられなかった『いんおこ』を食べるべく、商店街を目指して走る。大山神社付近で少し風が冷たく、空模様も怪しくなっているのを確認。雨が降らなければいいが…。
事前に調べていた“越智”というお好み屋へ行くことに。目の前にある大きな鉄板で焼いてくれ、そのままヘラで食べるのだという。これは楽しみだ。
 
マップアプリを使用し、程なく到着。静かな商店街の中にある小さなお店。初見では少し入店しにくい雰囲気か?
脇に自転車を駐輪し、店内を覗かせてもらうと、先客に4人の若いグループ。観光らしい。
 
さすが造船の町、大きな鉄板が店の中央にドンと置かれている。その周りを囲むように丸椅子が配置。昔懐かしい感じのノスタルジックな雰囲気だ。
お世辞にも広いとはいえない店内へ、汗のすえた臭いをまき散らしながら入店。先客には非常に迷惑だっただろう。
「どうしましょう?」
名物女将が気さくに声をかけてくれる。
うどん入りかそば入りかを選べるのだが、せっかくなのでうどん入りのお好み肉玉を注文。M氏はノンアルコール飲料を別に注文。さすがである。
『いんおこ』は、因島のお好み焼きの略である。某局の朝ドラ“てっぱん”が2011年に放映されてから徐々に観光客が増え始め、また、尾道市長の自転車好きが功を奏してサイクリングによる町おこしが成功。『いんおこ』の知名度も高くなったのだと店主から聞く。具材はお店によって様々だそうだが、こちらでは地元産の『のしいか』が具材として使われる。
いろいろと話を聞かせていただいていたが、私の目は徐々に焼きあがっていく『いんおこ』にくぎ付けだ。ソースの焦げた香りが鼻腔を刺激し、食欲をそそる。
冷めることがないように、ジューっと鉄板の上で音を立てているお好み焼きを小ヘラを使っていただく。見た目とは裏腹なあっさり目のソースで、ペロリと平らげてしまう。
味はもちろん、ボリュームも価格も満足するものだった。次に、この因島土生町商店街を訪れる時には、名物の『ネジパン』の他、土曜日限定販売の太刀魚フライ入りの『おさかなバーガー』をいただきたいものだ。
 
次の目的は、『はっさく大福』
昨日、道沿いに“菓子処 中島”を発見するも定休日だったため、今日は行きたいと話していた。ブルーライン上にあるお店なので、迷うことはない。早速向かうことにした。
手前のローソンでトイレ休憩を済ませ、いざ店内へ…と、ロードバイクを降りると、お店から出てきたサイクリストが、
「作っていないそうです。」
あまりにも堂々と店舗前に『はっさく大福』と掲げてあるため、ないとは思わなかった。しかし、どうやら販売する期間があるようで、自分たちが販売していない期間に訪れてしまっただけのようだった。
諦めきれず、有名な“はっさく屋”へ電話を入れるが、
「今日は営業しているけど…あと、20個ほどしかないし、外にたくさん(サイクリストが)いらっしゃるから…。今から来られても難しいかなぁ。」
と、やんわり来店を断られてしまった。
“次回こそは…”そう、心に決めて向島へ向かうのだった。
 
向島上陸
 
二層構造の因島大橋を渡ると、しまなみ海道サイクリングも終わりが近い。
行きは恐々走ったこの橋も、今はサイクリングが終わってしまう寂しさが込みあげてくるから不思議だ。心なしか巡航速度もゆっくりに。
島内は途中から普通の町並みとなり、交通量も増える。ポタリングのペースで安全に走る。旅の終わりを感じながらフェリー乗り場へと到着。
ロードバイクを降り、少し歩くと、前方から煙を出しながらやってくるフェリーが見える。スロープを降りるのと、ほぼ同時にフェリー到着。乗船する。
行きと同じように110円を船員に支払うと、少しの間、まったりとした時間がフェリー上で流れる。

 
そして尾道市
 
旅を終えるのが惜しいのか、一行は尾道駅前のアーケード街を流す。ぐるっと一周した後、今回の旅の起点でもあった“ONOMICHI U2”を覗いてみることに。

目の前にはジャイアントストア。アパレル系のお店とお酒も飲めるバー。パン屋と、一番奥にホテルがある。ホテルは人気が高く、土日はほぼ満床になっている。機会があれば、とびしま海道ルートを走り、ここに泊まってバーでお酒…などというプランもありかもしれない。ぜひ検討したい。
 
おみやげにと、パンをたくさん買い込み、市営駐車場まで戻り今回の旅は終了した。
複数人で走ること自体が久しぶりで、緊張していた中での“しまなみ海道”ライド。着替えながら2日間の行程を振り返ってみる。雨に降られたこともあるが、それも含めていい思い出になった。一生忘れることはないだろうと思う。
 
今回の旅に誘ってくれたK氏と、同行を快諾してくれたM氏、そして、今回走った行程でお世話になった方々に感謝しつつ、次回はいつお邪魔しようかと、しまなみへの思いを馳せる。

ありがとう。
 
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